タンギングの練習法! 多くの人が知らない舌の長さごとのタンギングのやり方、習得方法

練習法

今回はよく初心者のときに誤解しがちな、タンギングの話をしていきます。

 

タンギングとは。舌を使って音の輪郭をはっきりさせることを目的にします。

また、その仕方によって様々な音色をつけることが可能です。

でも、具体的にどうすれば良いのでしょうか?

 

私も最初の頃勘違いしていたので、ぜひ正しいやり方を覚えて早く上達しましょう!

 

タンギングの定義

タンギング 【tonguing】

管楽器の演奏で,舌を用いる奏法の総称。空気の流れを一時的に中断し,各音の出始めを明瞭にする。

辞書の定義はこんなふうになっていますね。

誤解しやすい部分は舌で空気の流れを一時的に中断するということです。

 

この一時的に中断という部分ですが、感覚としてはちょっと違うかなと。

舌がリードについている状態が普通で、舌を離すこと(タンギング)で息が流れていく

音を止める時はまた舌が元のリードの位置に戻ってくる、という感じです。

 

リードを舌でつつくことはタンギングではないということはわかってもらえましたか?

 

正しいタンギングを手に入れる練習法

まずはタンギングをする前に、音のことを考えてみましょう

 

音を分解すると、大きく3つに分けられます。

出だし(アタック)持続音終わり(リリース)

この3つです。まずは、この3つをタンギング無しで正しくできるようにすることが重要です。

 

つまり息だけの力で音を鳴らす練習です。

 

息だけで音を鳴らす練習法、そしてリリースの習得

少しずつクラリネットに息を吹き込んでいってください。

あるポイントで、スーという息の音から、リードの振動するポイントへと切り替わるはずです。

そうやって、どれくらいの息でリードが振動し始めるかを感じて理解しましょう

 

音を伸ばした後は、音の終わりが「スゥー・・・」とリードの振動がなくなるまで少しずつ息を減らしていきます。振動が終わった後も息は吐いていてください

※出だしから終わりまで、アンブシュアや音の豊かさ、音質などが変わらないことを意識しましょう。口や喉ではなく、お腹を使って息をコントロールします。息は減っても響くような音を意識して行いましょう。

 

この方法を試すことで、自然な音の出だしと終わり(リリース)を体感できると思います。

自然な出だしと終わりを理解したら、リリースの終わりで舌をそっとリードにつけてみてください

 

流れていた息と音の残響を止め、次の出だし(タンギングによるアタック)の準備にもなっています。

この状態が舌の位置のデフォルトです。

ひとつ注意点として、舌の正しい位置は舌の長さで変わってきます!これについてはこの後説明します。

 

息の減衰で音を小さくしていき、舌で残響を止める。これがリリースの基本になります。

 

タンギングで音を出す

正しい舌の準備位置がわかったら、次はいよいよ出だしのタンギング練習です。

先程、息だけで音を鳴らしたと思いますが、次は舌を使います。

 

まず音がなるだけの息を、舌でせき止めてください。舌の一部(先端もしくは舌の中央)がリードに軽く触れるだけで大丈夫です。

そして舌を素早く軽くリードから離して、息を開放してください

イメージとしてはストッパーで止めていた水を開放するような感じです。

 

息は常に流れているということを意識してください。

それを舌で止めておいて、開放することをタンギングといいます。

これはテンポが速くなっても変わりません。

 

舌はただ息とリードの振動を止めて、開放するだけ!

リードをつついたり叩いたりする必要はないんです。

 

舌の長さによるタンギングの違い

一般的に浸透しているタンギングの方法は、舌の先端で行うものです。

しかし、これだけが正しい方法ではありません。

 

舌の長さは人によって全然違います。同じ方法で上手くいくわけがありません。

これを理解していないと、自分はタンギング苦手だなと思いこんでしまいます。

 

ここでは舌の長い人、平均的な人、短い人にあわせて紹介します。

 

共通する舌の位置

舌の長い人、短い人色々いますが、ひとつだけ共通することがあります。

 

舌の後ろ側は下げるということです。

リードに接する部分は、舌先だったり中央だったり個人差がありますが、舌の奥はみんな下げます。

 

口の中の容積を広くすることで、音の響きや息圧に影響してきます。

 

長い舌向き

1.舌先を下前歯のつけ根に軽く固定

2.舌の中央部でタンギングする

 

もしくは、

1.舌先を下唇の内側に固定

2.舌先を動かし、唇ごしにタンギングする

 

1.舌先を下唇の上に置く

2.唇を支点にして前後に動かしタンギング

 

全部で3種類ほどあります。

 

平均的な舌向き

1.舌先を下唇の内側に固定

2.舌先以外の部分をリードに近づけてタンギング

 

これは、長い舌の人向きで紹介した舌の中央部でタンギングする方法と似ています。

 

短い舌向き

1.舌の先端をリードの先端につけてタンギング

 

一般的に知られているタンギング方法です。

私は舌がとても短いのでこれしか出来ませんし、これが一番あっています。舌の長い人は、どれだけ練習してもこのやり方では上手くできません。

 

タンギングの時のコツ

息の圧力が大事です。そして、常に息が流れているという意識

まずはスラーでの練習をやってそのなめらかな息の流れの中でタンギングを練習しましょう。

 

息の流れを舌で止めて、開放。どんなに短くタンギングするとしても、基本はこれです。

短いタンギングは、蛇口から流れる水を指で切るのをイメージしてください。

 

とても速いタンギングの時は舌を意識的に動かすというよりかは、息の流れで自動的に舌がたなびくような、痙攣してるようなイメージが良いかもしれません。

強風で、葉っぱや洗濯物が激しくバタバタとなっているような感じです。

 

あくまで、リードに触れる部分だけをかる~く動かせば良いんです。舌全体を使おうとするとうまくいきません。

 

タンギングに似ている発音は、タ行が似ていると言われます。

トゥトゥトゥトゥとか、ティティティティなどの発音で楽器なしでも練習してみましょう。

 

強めにはっきりタンギングをしたい場合は、お腹に力を入れて息圧をあげましょう

 

まとめ

・息だけで音の出だしから終わりまでの感覚を掴む

・リリースの終わりで、舌をそっとリードにつける(デフォルトの位置)

・最適なタンギングは舌の長さごとに違う

・常に息の流れを意識する

・舌は息の流れを止めて、開放するストッパー的役割

・舌全体ではなく、リードに触れる部分だけをかる~く振動させる

 

タンギングだけをまとめたのですが、とても長くなってしまいました。

ぜひ、ただしくタンギングを理解しましょうね!

コメント

  1. Ito より:

    はじめまして。

    15年ほどクラリネットを吹いてきましたが、どうしてもタンギングがネックでした。もうやめようかと思っていたほどです。

    こちらに紹介されている、舌の長い人向けの方法を試したところ、最初はやりづらくて苦労しましたが、段々と慣れ、全体的な音色や音抜け、高音域の反応まで良くなってきました! 楽しくなって、毎日吹いています。

    とても為になる記事を、ありがとうございますm(__)m

    • 管理人 くらくら より:

      itoさん、はじめまして。ブログ更新していなかったので気づくのが遅くなり、すみません!
      15年間の習慣を変えるのはとても大変だったと思いますが、自分にあったタンギングを習得されたんですね、おめでとうございます!楽しく吹けるようになったとのことで自分も嬉しい気持ちになります。
      私はたまたま一般的に普及している先端でやる方法が自分の身体にあっていたので良かったですが、そうでない方はとても苦労されてますよね。私の大学時代の友人がそうだったのでよくわかります(友人もitoさんと同じく方法を変えてからかなり改善しました)

      これからまた色々と更新再開をする予定ですので、よければまたお立ち寄りください。コメントありがとうございました!

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