皆さんこんにちは、くらくらです。
今回は前回の記事に引き続き、クラリネットの名曲とそのおすすめ動画を紹介します。
今回はブラームスのクラリネット曲を聴いてみましょう。
前回のドビュッシーやモーツァルトの曲とはだいぶ雰囲気が変わりますよ。
作曲をやめようとしていた晩年のブラームス
ブラームスは晩年、作曲意欲が衰え作曲を辞める決意を固めていました。
遺書もかいて手稿(自筆譜)も整理していたそうです。
しかし、そのときに名クラリネット奏者リヒャルト・ミュールフェルトに出会うのです。
彼のクラリネットの演奏がブラームスの固い決意を壊しました。
ミュールフェルトの演奏に刺激を受けたブラームスは、その後作曲意欲を取り戻し
クラリネットのために4曲もの大変素晴らしい名曲を残しました。
ブラームスの決意を壊す演奏とはどのような演奏だったのでしょうか?
ミュールフェルトの演奏
ミュールフェルトの演奏は大きくビブラートをかけた、大変優雅な演奏スタイルだったようです。
ブラームスは彼の演奏について、手紙でこのように言っています、
「クラリネットのナイチンゲール」
「私のプリマドンナ」
「彼以上に素晴らしい管楽器奏者はいない」
べた褒めです。相当彼の演奏に感激したようです。
彼の演奏に女性的な美しさを感じたように思える言葉です。
ミュールフェルトは多彩な人で、ヴァイオリンも弾けばピアノも弾きました。
もともとは楽団の第二ヴァイオリンを弾いていたのに、途中から首席クラリネットに移動したそうです。
そのため、ミューフェルトの演奏はある意味クラリネット的ではなかったとの話も。
当時のクラリネットのスタイルとはかけ離れていたようです。
ピアノやヴァイオリンの演奏スタイル、センスを取り入れたクラリネット奏者。
そんな彼の音楽性がブラームスの作曲意欲に火をつけたんですね。
クラリネット三重奏曲 Op.114
ピアノとチェロ、クラリネットの編成の曲です。全四楽章。
ブラームスや周りの友人は、5重奏曲よりも3重奏曲の方が好きだったようです。
ただ、わかりやすい聴き映えと言う点で、聴衆の人気は逆でした。
チェロとクラリネットの親密な対話。
作曲意欲を取り戻したブラームスがはじめに完成させたのがこの曲です。
CL,ハロルド・ライト Cello,ヨーヨー・マ Piano,エマニュエル・アックス |
私の好きな奏者、ハロルド・ライトの演奏で。
クラリネット五重奏曲 Op.115
この五重奏曲は元々完成された曲の手直しという説もあります。全四楽章。
一般的には三重奏曲よりもこちらのほうが演奏会で取り上げられます。
また、モーツァルト、ウェーバーと並び三大クラリネット五重奏曲のひとつでもあります。
聴き映えします。
二楽章などで、時折日本的な空気を感じることがあります。
ブラームスが日本に来ていたという説があるそうですが真偽はわかりません。
ブラームスらしい、重厚な音の作りと情熱、弦とクラリネットのアンサンブルの美しさ。
少なからず、モーツァルトの五重奏曲の影響は受けていると私は思います。
CL,リチャード・シュトルツマン Quartet,アルティス四重奏団 |
シュトルツマンはクラリネットを吹くというよりも、音楽をする人かなと思っています。
クラリネットとピアノのためのソナタ1番、2番 Op.120-1,2
ブラームスは三重奏と五重奏を完成させた後、1894年、つまり死の3年前にこの2曲を完成させました。1番は全四楽章、2番は全三楽章。
また、ピアノパートの完成度が非常に高く、単なる伴奏ではありません。
ピアノとクラリネット、どちらも主役です。
交響曲1番と2番の関係にも少し似ていますが、
1番はヘ短調でアレグロ・アパッショナート、2番はホ長調でアレグロ・アマービレ
で曲が始まります。
1番はブラームスの情熱と孤独のようなものが感じられ、最後は活気と喜びに溢れたフィナーレで曲が終わります。
2番は1番とは対象的に、柔らかさ、暖かな美しさ、郷愁や昔を振り返るような、ある種の諦観や達観のようなものも感じられます。
3楽章はブラームスの得意とした変奏曲形式で書かれており、結果としてブラームスが書いた最後の変奏曲となりました。
CL,フランソワ・ベンダ Pf,ロルフ・ディーター・アレンス | CL,カール・ライスター Pf,フェレンツ・ボーグナー |
まとめ
ブラームスはクラリネットのために4曲書いてくれましたが、そのどれもが名曲として高い評価を得ています。
ブラームスの情熱と美しさを感じ取ってください!
クラリネットの作品にこのような名曲があるのは本当に幸せなことですね。
無料でも楽譜は手に入るので、試しに吹いてみるのも楽しいですよ。
著作権フリーの無料楽譜の探し方などもそのうち記事にしようと思います。それでは!
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