今回は基礎練習のひとつである、スケール練習を紹介します。
このスケール練習、クラシックのプロや音大生が
毎日やっているほど重要な練習なんです!
どのように練習するのか…それではみていきましょう。
C-dur? c-moll? 読み方と意味(初心者の方へ)
意味がわかる人はこの項は読み飛ばして大丈夫です。
初めて見た方もいると思いますが、これはドイツ語での音階の名前を表しています。
スケールの教本ではこの表記です。一応理解しておくと良いと思います。
ハ長調やハ短調って聞いたことありませんか? まずはこれを理解してみましょう。
ドレミファソラシド、は昔の日本ではハニホヘトイロハと読んでいました。
そして、音階には大きく分けて長調(dur)と短調(moll)があります。
その音階の始まりの音と、音階の種類をくっつけてハ長調やハ短調と呼んでいるわけです。
ドイツ語ではドレミファソラシドを、CDEFGAHCと読んでいます。
それぞれの読みは、「Cツェー、Dデー、Eエー、Fエフ、Gゲー、Aアー、Hハー」です。
ドイツ語での読みがわかったら、C-durとc-mollの意味もわかりますね。
C-dur = ハ長調
c-moll = ハ短調
ということです!
海外では、長調(dur)の時は音名は大文字、短調(moll)の時は小文字で表記します。
スケール練習のポイント
スケール練習は最も大事な基礎練習と言っても過言ではありません。
これはクラリネット以外でもそうだと思います。
スケール(音階)というのは、曲中にたくさん出てきます。
つまり、スケールを美しくできる人は、曲も美しく演奏できるというわけです。
それでは大事なポイントを見ていきましょう。
音のつながりを意識する
スケールでは様々な音階を練習することになりますが、
どの音階でも音と音のつながりを意識してください。
音をなめらかに吹くというのは、実はとっても難しいことです。
本当の意味でスラーで音を吹くこととはどういうことかを考えてください。
プロの演奏のなめらかな音運びをよく観察してみましょう。
自分の思っているスラーは、実は全然スラーではないかもしれませんよ。
フレーズを考える
フレーズも意識しましょう!フレーズとはいくつかの音のまとまりのことです。
このフレーズを意識するクセはスケール練習のときにつけてしまうのがおすすめです。
例えば、「ドから始まって上のドまでいって降りてくる」。
このひとつのスケールのフレーズを考えてみます。
最初のドが出発、そこから山を登るように頂点のドまで行きます。そして下って終わりのドに到着。
始まりと頂点と終わり、この3つの点がどこにあるかを見つけましょう。
そしてそれらを線で結ぶように息でつなげる意識を持って吹きましょう。
これは曲で使えます。どの音が、始まりで頂点で終わりか。
フレーズを見つけられれば、そこをどう吹くか考えることができますね。
フレーズを見つけ、どう吹くか考えるクセをつけておきましょう。
指の動きは最小限度で
難しい音符や忙しい音符、ついつい指をバタバタと動かしたり、指がキーから離れすぎたり。
しかし、よーく考えるとこの動き全く必要なかったり、上手く行かない原因だったりします。
私はこの指のバタバタを大学に行ってから指摘され、直すのに苦労しました・・・。
海外の初心者向けの教本を見たことがあるんですが、
ちゃんと書いてあるんですよね「指を上げすぎないように」と。これを最初から知っていれば・・・。
皆さんはぜひ、今から指の動きを意識して練習してみてください!
できれば鏡の前で、自分の指を見ながらやるとよくわかります。
ゆっくりスケールをやってみて、次の音に行くときに必要な動きは何かを考えてください。
ちょっとめんどくさいかもしれませんが、これを日々やっていれば
難しい連符も簡単に吹けるようになります。間違いなく。
指がバタバタしていても吹けないことはないんです。私がそうだったのでわかります。
でも、最小限の動きを知っている人と知らない人では差がかなりありますよ。
おすすめスケール本と練習方法
色々とスケールの教本はありますが、今回は初心者・中級者・上級者向けに一冊ずつ紹介します。
クラリネットの初歩:ジャック・ランスロ (初級)
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初心者の方におすすめです。調合は♯♭3つまでで音域も広くありません。
クラリネットの指を覚えたり、基本的な指の動きを練習したい方はまずはこれをやってみましょう。
Scales for Clarinet:ロルフ・アイヒラー (中級)
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通称「アイヒラーのスケール」。私もお世話になりました。昔はA3サイズで大きかったのですが、こちらのショップは新版でA4サイズの使いやすいものを販売されてます。
全調のスケールがのっており、音域もほぼフルに使われて書かれています。クラリネット脱初心者した方はこれからやってもいいと思います。
音大の入試でも使われています、これが吹ければスケールの基本はバッチリです。
高い音が出ない場合は省いて吹きましょう! 無理して吹くと正しいアンブシュアが崩れます。
音階と運指:横川晴児 (上級)
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上級者用です。クラリネットの音域がフルに使われています。
スケールのパターンの数も多く、これをきちんと吹ければ大したものだと思います。
巻末には運指表が載っており、最高音域までの運指が替え指も含め詳しく載っています。
この運指表目当てに買うのもありです。
なんと微分音の運指も載っています、本当に素晴らしいです。
練習法
ひとつのスケールでも色々な吹き方ができます。上はいくつか例を出してみました。
1~5はリズムはそのまま、吹き方を色々と変えています。アーティキュレーション練習。
なめらかにスラーで、歯切れよくスタッカートで、色々と付ける場所を変えて楽しみましょう。
こういったアティキレーションは教本に載っていますので、詳しくはそちらを見てください。
6はリズム練習です。付点をつけたり、3連付にしたり最初の音だけ長くしたり、
こちらも色々とできます。
音の感覚が狭まったり広がったりして、指の動かし方をより考えないと吹けないので、
いい練習になります。
これは曲中の難しい箇所でもよく使う練習法なので覚えておきましょう!
まとめ
・C-dur 、c-moll の意味と読み方
・音と音のつながりを大事に
・始まり・頂点・終わり、フレーズを考える
・指の動きを考える
・色々な練習法でさらに効果的に
スケールだけとっても色々と意識することがありますが、
意識することで上達スピードは飛躍的にあがります。ぜひ頑張ってみてくださいね!
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